今日は情報のH26第1問について解説します。
コンピュータは、データ記録やオペレーティングシステム(OS)の起動ディスクとしてハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)を装備している。HDDやSSDには様々な種類の製品があり、データ記録のための管理方法も複数の種類がある。
HDDやSSDにおけるFATやNTFSなどによるデータ記録管理方法に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 記憶装置上のデータ記録位置を、セクタとそれをまとめたクラスタで管理する。
b ファイルはクラスタ容量の単位で分割され、記憶装置上に書き込まれる。その物理的な記録位置はパス名で記録される。
c ファイルを記録する連続したクラスタがない場合、まず記録位置の再配置を行い連続性を確保して記録する。
d ファイルの記録場所をひとつ以上のクラスタの接続情報として管理する。
〔解答群〕
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd
解説
補助記憶装置のデータ記録管理方法(ファイルシステム)に関する問題です。問題文中にあるFAT(File Allocation Table)やNTFS(NT File System)は、HDDやSSDなどにおけるファイルシステムの代表的なものでWindows系のOSで採用されています。
HDDの記憶領域は、円盤状の記録装置を同心円状に分割したトラックとトラックを放射状に分割したセクタで構成されますが、一つのセクタの容量は小さいために一つ以上のセクタをまとめたクラスタという単位で管理が行われます。
ファイルは、1つ以上のクラスタにまたがって保存されるため、各クラスタがどのファイルの情報を保持しているかは「ファイル・アロケーション・テーブル」で管理されています。
それでは早速、各記述を見ていきましょう。
記述aでは「セクタとそれらをまとめたクラスタで管理する」とありますので、これは正しい記述です。
この時点で回答の選択肢はアとイに絞られます。
記述b:一つのファイルは一つ以上のクラスタにまたがって管理されますので記述の前半は正しいですが、ファイル・アロケーション・テーブルではその場所を「パス名」ではなく「クラスタ番号」で管理しています。
よって、この記述は×です。
記述c:ファイルサイズに相当する連続したクラスタが無い場合には、ファイルは飛び飛びに空いているクラスタを利用して管理されます。記述の後半にある「記録位置の再配置を行い連続性を確保する」というのは、「デフラグ(最適化)」のことでユーティリティソフトのひとつです。
よって、この記述は×です。
記述dでは「ファイルの記録場所をひとつ以上のクラスタの接続情報として管理する」のは正しい記述です。
以上から、正解は選択肢イとなります。